我が家のロードスターは、初代ロードスターのファイナルエディションであるSR Limited。最後期型であるにしても既に23年経過している。そのコクピットに純正で傷だらけのまま鎮座しているSRSエアバッグ付きのステアリング。
ステアリング外周の傷を触るたびに気になるので、ステアリングカバーを巻いてお茶を濁していた。
これはこれで気に入ってはいたものの、23年間取り換えられていないエアバッグってどうなの??と気になり少し調べると、どうやら一部の外国車には10年または15年単位でエアバッグの交換が必要とされているらしい。え…ウチの20年越えてるけど。また我が国の基準ではあくまでエアバッグは”補助”拘束装置であり、シートベルトの補助として装備されていることから、装着後何年経過しようとも交換期限が定められていないという…。
また、エアバッグを取り外したとしても「エアバッグ警告灯」が点灯していない状態にすることで車検は問題なく通るとのこと。
参考:警告灯が点灯または点滅している自動車について
エアバッグを取り外しても車検に通るのか
というわけで、思い切って交換。といきたいところだが、ステアリングの根元のパーツ「ステアリングボス」の種類を間違って購入してしまった。
一見同じように見えるが、
ウラが全然違う。右のものがエアバッグ車対応型(ワークスベル909)。左のもの(ワークスベル902)はウチのロードスターにはどうやっても付かない仕様だった。
作業に入る。ネットをあちこち当たって手順を確認。
NAロードスターはユーザーが多いから助かる…。
というわけで、忘備録程度に。
まずバッテリーのマイナス端子を外して放電し、ハンドルのこの位置にあるボルトを10mmソケットで取る。以降の作業に備えて、ホーンのカプラーを抜いておくと、不意に鳴らずに済むので安心。
エアバッグモジュールを取り去って、センターナットを緩める。純正は21mmソケット対応。ナットは完全には外さず、残った状態でステアリングをゆすったり引っ張ったり叩いたりして引っこ抜く。すると緩めたナットのところで止まる。ナットを完全に外してしまうと、引っこ抜いた時にその勢いで後ろに倒れこんでしまう。
そこにボスを差す。△の向きで。
ウチのロードスターの配線はこんなブロックみたいになっていて、純正ではもう片方オレンジのブロックをこの水色のブロックに合体してステアリングに接続されている。オレンジを外して、画像下のホーンの配線と、上のエアバッグ警告灯キャンセラーをつなぐ。ワークスベルの取説はとても詳しく書いてあるので、手順がわからないことはなかった。(HPに取説が載っているので、それを見ておけばボスの買い間違いはなかったかと…。)
配線をビニールテープで固定して、ホーンの端子はボスの内側から出す。
ナットを締める。これはボスキット付属の17mmのモノ。
トルクレンチで3kg.m。
カバーを付けて、ボス周りは終了!
ステアリングを取り付けて、ホーンの配線を差す。
ポリッシュだから、指紋が目立つ(;・∀・)
気を付けてボルト締めないと、一発でひっかき傷がつく(ついた…あとでピカールとLOOXで磨いた…)。
ホーンボタンをはめ込んで完成!とおもいきや、付属のリングの存在に気づいて、やり直し…
こんな順番でハメていく。NARDIのステアリング、この辺りの説明は全くない。それくらい知っているでしょうということなのか…。
ちなみに、このホーンボタンをはめ込むのがまた大変。
2時、10時方向に小さいツメ、6時方向に大きいツメがあって、そう簡単には取れないようにするためか、とても付けるのに苦労した。
ネットを漁ると同じような思いをした方が多いようで、私は結局ペットボトルを20×30センチくらいに切って、それを2時、10時方向に突っ込み、その上から6時方向、10時方向とツメをハメた後、割りばしを使って2時方向のツメをねじ込んだ。ちなみに、ホーンボタンを外すのはマイナスドライバーでちょっと引っ張ってやればあっけなく外れる。なぜ付けるのはあんなに大変なのか…。
仕上がりはこのように。
意気揚々と試運転に出かけると…センターがズレてる(涙)
なので、またボスを外し、1ノッチ左にずらしてハメて、また例のホーンボタンと戦い、ステアリング交換は完了。
素人作業でも完遂できたけど、慣れないことが多かったから疲れた~
今までタイヤ交換でさえ全部ディーラーに任せてきたし。
こんなことを自分の手でやる日が来るとは…。
見た目、手触り、ステアリングを切るときの握り心地は素晴らしく、心底交換してよかったと思う。特にSR limitedはあちこちにメッキパーツが使われているので、ポリッシュスポークはそれと調和がとれているように思う気がする。また今回は36Φを選んだけど、これもちょうどよい感じで満足の仕上がりとなった。
運転中にいつも触れている場所。その心地よさはとても大事。NARDIはそれをよくわかっているから、こんなに長く多くの人に愛されるのだと思った。