もしかしたら、何も写っていないかもしれない…と思いながら現像に出したのは、初めてのフィルムカメラのNikon FE2での撮影以来だった。
今日、出張先の雪国でLeicaⅢbを片手に散歩カメラした時のフィルムの現像を出した。
近所のキタムラで、たったの30分で仕上がって来た。
インデックスを見ると、一応何かは写っていることがわかり、ほっとする。
どうやら、ちゃんとフィルムは光を受け取ってくれていたようだ。
帰宅後にPCで見ると、予想以上に「まともに」写っていて驚いた。
初めての機械式カメラ、スマホアプリの露出計を使って、慣れない手つきで撮ったものが、完全な白飛びも黒つぶれもなく写っていることに少し感動している。
この、とても小さく歴史と機械が凝縮された新しい相棒に感謝したい気持ちになった。
この小ささ、手へのおさまりの良さは特筆すべき点で、どこへでも連れていけそう…というより、連れて行きたくなる。「眺めても、撮っても素敵な」カメラということが言える。
上の、一枚目の写真は日没後の薄暮の中、開放f3.5、1/8のシャッタースピードで撮ったもの。
手持ちのスローなんて全然期待していなかったから、それなりに立体的に写っているのを見てうれしくなってしまう。
朱色に色づいた雲、雪の凹凸、冬枯れの枝、暗がりでじんわりにじむ光。
バルナックライカとの時間は本当にゆっくり過ぎていく。
分単位で仕事をした直後だったから余計にそう感じたのかもしれない。
フル回転した脳みそを落ち着かせるように、カメラと対話しながら、時間をかけて撮る。
こんなことは今までになかった新しい体験だ。
これからどんどん季節が変わっていく。このカメラでどんな写真を撮っていくことができるか、楽しみで仕方がない。