これまで出張先へ持ち出すのは決まってminolta Hi-Matic FかGRⅡだったが、最近はもっぱらバルナックライカ、LeicaⅢbになっている。
手に収まる感じが心地いいし、上着のポケットに突っ込んで持ち運べる。
今のところストラップは付けていないから、さっと取り出して撮影し、すぐまたポッケヘ…
デジカメと違う一番大きな点は、背面液晶がないことかもしれない。
レンズキャップをしていれば、ポケットに入れて運んでも指紋がついて気になる、なんてことがないのがGRⅡとの違い。もっとも、沈胴極薄のエルマーのなせる業ではあるが。
液晶がないので撮った写真を確認することもできない。
撮ったらそれは過去の所作。ぶれていようと露出不良だろうと確認しようがないのが潔い。
すぐさま次の撮影動作に移る。
右ポケットに手を入れると常にバルナックがそこにある。
重厚な金属の頼もしい感触が伝わる。
これは、という光を探してうろうろ歩く。
オーバーホール済みであるおかげか、もともとの性格か、かなり控えめなシャッター音が心地いい。どんどん撮影枚数が進む。
失敗もまだ多い。沈胴したままであったり、撮りたい絞りとは全然違っていたり…
かといってそれが失敗写真かというとそれも違うような気がする。
「それはそれで味がある」なんて言えないが、バルナックライカとの日々の1ページとしての記憶をとどめる材料にはなるだろう。
バルナックライカがあることで出張先のホテルから出る確率がかなり高まったことは間違いない。
歩数も稼げて健康的だ。エルマーがとらえる光も、写真を見ていてとても気持ちがいい。
エルマー、優秀だな…コーティング有無しなど、時代毎の違いも確かめてみたいと思ってしまう。
LeicaⅢb、嫁さんからは「ライカさん」と呼ばれている。
きっとフルマニュアルの機械式である点に人間臭さを感じているのだろう…きっとそうだ。
これからも「ライカさん」をポッケにいれて、何気ない日々をフィルムに写しこんでいこう。
…というようなことを、5時前に早起きした1歳の娘をリビングで遊ばせながら書いている。
穏やかな朝だ。ささやかだけど、大切な幸せ。