職場の先輩と今までどんな本を読んでおもしろかったかという話になり、私は司馬遼太郎の「燃えよ剣」と答え、先輩は沢木耕太郎の「深夜特急」シリーズと答えてくれた。
深夜特急、今までに読んだことがなく、沢木耕太郎という人も良く知らなかったため、その場ですぐにメモし、後日、書籍を手に入れて読み始めた。
先輩から聞いた話では、軽く「香港からロンドンまでバスで移動する話」としか聞いておらず、一体どんなものかとワクワクしながら読み始めたが、これがとても面白い。
イギリスから返還される前の香港の描写など、今は想像もつかないような場面もあるが、バックパッカーとなった主人公が歩む情景がリズムよく生き生きと表現され、読み始めたら止まらなくなってしまう。全6巻の文庫本で、今5巻目を読んでいるところ。
そんな今日、ある書店で偶然、ロバート・キャパの写真集の訳・解説に「沢木耕太郎」の文字を見つけた。驚いた。「深夜特急」の中でもカメラの描写はあるが、主人公が旅の餞別にもらったニコンでたまに撮影する程度で、それよりも旅の資金として売り飛ばされそうになる描写の方が印象に残っているくらいだ。(これからさらに読み進めると展開が変わるのかもしれないが…)
まさか、ロバート・キャパの写真集の解説をされているとは…いや、自分の無知を恥じるべきなのかもしれないが、仕方がない。
これは買うしかない…と思い、4000円もしたが、買って帰った。(4000円でこの内容であれば安いのか?よくわからない。)
その足で自家現像用品を買って帰ったのだから、今日は写真を撮らずに写真に多く触れたような一日だった。鞄の中が大きな写真集と現像薬品類でかなり重くなってしまい、軽くトレーニングになった。
写真集の中身はまだ見ていないし、解説も読んでいない。
我が家のライカさんが生まれた1930~40年頃の写真をゆっくり眺めて、沢木耕太郎さんの解説をじっくり味わいたいと思う。