着々と準備を進めていた自家現像。やっと実行に移すことができた。
各種薬液(劇物)の調合をかなりビクビクしながら行い、そのまま現像作業へ。
データシート通り、ACROS100をD-76現像液を使って7分15秒かけて現像。
解りにくかったのが、プラスチック製のLPL現像タンク5041を使った撹拌の仕方。
現像タンクは一般的に倒立撹拌(手のひらを反すようにくるくる撹拌させる)をするようで、Youtubeの自家現像の動画なんかもそればかり。しかし、このプラ製LPL現像タンクは、芯棒をくるくるひねることで撹拌できる仕組みになっている。これがよくわからず少し時間がかかってしまった。本当にこれでいいのかと…
結果、それでなんの問題もなく、現像液もフィルム1本なら375mlで済むので非常に簡単かつ合理的。
できあがったフィルムを見て、それなりに感動はしたものの、ネガフィルムであるのでスキャンするまでは本当にちゃんと撮れているか、現像処理は適切に行われていたのか心配だった。
現像した翌日は出張だったので、出張先にあるキタムラでフィルムをデータ化してもらった。
「フィルムのデータ化をお願いします、モノクロフィルムなのですが、できますか??」と店員さんにたずねると、「??」といった感じになり、しばらく調べていただいて、「前にここでやってましたので、できますよ」とのことでデータ化してもらった。
受け取ったデータを見て、かなりの衝撃を受けた。
<以下全て、LeicaⅢb&Elmar5cmf3.5 ACROS100>
まるでエルマーが「白黒、得意分野なんです」と言っているような写り。
こんな写りをされたらこれは病みつきになりそうだ。
現像のプロセスも本当に面白いし、何より自分で作ったネガであるという満足感。
どこかで読んだ文言だが、「貴金属の力を借りて、その瞬間を焼き付ける。」
まさにその現場を見ることができる。銀塩写真とはこういうことか。
細々と買うものはあるし、薬液の取り扱いにかなり神経を使うところはあるものの、この感動を、写真が趣味の人なら知っていて損はないのではないのかな、と思う。
というわけで、モノクロ用に加え、カラーフィルムも使い分ける用のバルナックが欲しいなと思っているのはまた別の話である…。