写真を「焼く」とはこういうことか…【Workshop@RIVIERE】

先日、大阪・吹田のフィルム暗室ギャラリー【RIVIERE/リヴィエール】さんの開催するワークショップに参加してきた。カラーネガ現像と暗室での印画紙プリント体験。

このワークショップで勉強するためにも、まずは自家現像をしてみたのが前回のポスト。
自家現像について調べていると、続いて知ることになるのは「引き伸ばし機」による「印画紙へのプリント」これによりデジタル的な要素を全く経ることなく、一枚の写真を手にすることができる…とのこと。
それこそ見たことも触ったこともないモノばかりなので、本を読んだり、ネットで調べてもよくイメージがつかない。しかし、実際にやってみることで多くの疑問は解消された。

まずはカラーネガの現像。
モノクロネガとの大きな違いは、現像処理後に「漂白(ブリーチ)」という工程があること。
ブリーチ…Olympus OM-D EM-1のアートフィルターに「ブリーチバイパス」というものがあるのを思い出した。どうやら「漂白」「定着」という工程を経る中でフィルム上の銀を取り除くようで、「漂白」をスキップして銀を残すと、この渋い感じになるようだ。
今回はもちろん、通常の手順を踏んで、「現像」「漂白」「定着」「水洗」「乾燥」を行った。
スタッフの方の薬剤の事前準備や温度管理が手際よく、現像はサクサク進み、(個人的な印象だが)あっという間に仕上がった。

その後に行った暗室でのプリント作業がかなりのインパクトだった。

暗室についての説明を軽く受けた後、最初に言われたのが、

「まずは歩く練習をしましょう。」

「??」
となったが、その意味するところは以下のとおり。

今回初めて触れた印画紙というモノ。これは光に反応する薬剤が塗られた紙で、モノクロならセーフライトと呼ばれる赤い光の下であれば印画紙が感光することなく作業を進めることができるが、カラープリントだとすべての光に印画紙が反応してしまうので、「全く光のない中」での作業となる。「全く光がない」中で印画紙を引き伸ばし機からCPと呼ばれる現像プリント機まで持っていく必要があるため、歩く練習が必要ということ。
日常生活で完全に真っ暗になることはほぼないのではないだろうか。暗いな…と思っても目が慣れてくれば大体何かしら見えてくる。もし、暗室内で目が慣れてきて何かが見えてきたら、その時点で印画紙が感光してしまうことになり、まともにプリントすることはできないとのこと。

印画紙のプリントはそれこそ、ものすごくアナログだ。
引き伸ばし機にセットした印画紙に、ネガを通した光を当てる。その印画紙を現像処理することでポジ画像(いわゆる通常の写真)が得られる。ネガを通した光を当てる時間が長くなるほど、仕上がりの色が濃く、暗くなる。そのため、本番プリント前に印画紙を何枚かに裂いてテストピースを作り、2秒、4秒、6秒…と場所をずらしつつ段階的に光を当ててプリントし、いい感じの秒数を探る。
また、引き伸ばし機のカラーフィルターを使って色の補正も行う。ネガに対する補正であるので、ややわかりにくい作業にはなるが、補正チャートの通りに設定することで混乱することなく進めることができる。(あらら、amazonでは在庫切れか…)

何度かテストを進めて設定を追い込み、「これだ!」というところで満を持して本番プリントを行う。まずは4つ切りのコンタクトプリントを1枚。その後、6つ切り印画紙に写真をプリントしていった。この際、印画紙のセットをミスして露光範囲がズレてしまい、人物の頭が若干切れる事象が発生したが、物理的に「トリミング」して正方形に切り抜くことでバランスが良くなったため、それで良しとした。そのほか、2枚の6つ切り写真をプリントして作業は終わった。

人物写真(ほぼ赤ちゃん)のため、
MF撮影でボカしています…

非常に楽しかった…。
完全な暗闇で儀式を行って、像を生み出すなんて、まるで魔法のよう。(ちょっと言いすぎか)
CP(プリント現像機)からゆっくり写真が出てくるときは、「おーっ」と歓声があがり、なかなか感動の瞬間だった。

次回はぜひ、自家現像したモノクロフィルムを印画紙に焼き付けたいと思っている。
これこそたまに映画かなんかで見る、暗闇でぼぅ…と写真が浮かび上がる様が見れるとのこと。
ワクワクは尽きない。

そして、この時にちょっと聞いた中判カメラのことが気になっている…
マミヤRZ67がめちゃくちゃ重いけど面白いとか話していたらバケペンが防湿庫から出てきて…
帰ってからローライフレックスやハッセルブラッドについて調べていたりして…

色々と尽きない。どこまでも広く長く深い。

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