フィルムが吸い込んだ春の空気

NikonF6 Ai24mmf2.0 FUJI100

フィルムカメラを始めて最初の春がやってきた。

この時期を冬の間からワクワクしながら待っていた。
デジタル一眼やミラーレスで何度も桜の写真は撮ったことはある。フィルムで撮ると感じ方はどう違うか、確かめたかった。

自家現像を始めたり、暗室体験をしたり、ごく最近ではデジカメフィルムスキャンを始めたり…私の写真に関する環境は大きく変わっていて、その都度、写真管理や処理に対する印象も変わってきている。
デジタルで撮っていた頃は、
「RAWでとりあえず押さえ、帰ってからレタッチを加えて好みの仕上がりにすればいい派」だったが、フィルムで撮り始めてからは「なるべく撮って出しでいい感じにしたい、データ化お店任せだし…派」になり、暗室でプリント体験をし、デジカメフィルムスキャンを始めてからは「データ化お店任せって、印画紙プリントの色味や明るさの調整を人任せにしていることと同じか…だったら自分でやろう派」へと変化していった。

自分でスキャンしていようと、その色味が完全に再現され、正しいなんてことはない。我が家のPCモニターは厳密にカラーキャリブレーションしているわけではない…要は自分が納得できればそれでいい。アマチュア素人の自己満足。
でも、いつも少し先にちょっと頑張ればできる何かが転がっていて、少しづつ、錯覚かもしれないけど前に進んでいる。こんな面白い趣味はないと思う。

ここまでの写真は全て宮崎の西都原古墳付近での撮影。
カラーはNikon F6 AF50mmf1.8かAi24mmf2.0 FUJI100、モノクロはLeicaⅢb Elmar5cmf3.5と…絶滅危惧種のACROS100。

以降の写真は近所の桜。良く晴れた朝に撮影。こちらも消えゆくフィルム、NATURA1600

桜、デジタルで撮っていたころと比べてどうかというと…その場の空気をフィルムが吸いこんでくれている感じがして…こんな表現しかできないけれど、何か、匂いまで記憶を喚起するような…。この感じをデジタルで出すのはかなり難しいと思う。ただ、個人的な感想だし、完全に正しいとは思っていない。でもフィルムで撮ったらこんな感じになるということが、誰かに少しでも伝わって、何かを感じてもらえたらちょっとうれしいかも…と思っている。

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