アナログなものに惹かれる【ポラロイドカメラ】

  • 2019-08-12
  • 2019-08-13
  • Film

今日、何時間スマホを見ただろうか。
今日、何時間PC画面を見ただろうか。

スマホでもデジカメでも何百枚何千枚と写真を撮るけど、見返すことなんてほとんどない。真面目に撮ったとしても、せいぜいPCに取り込んで、よろしく編集し、SNSに放流しておしまいだ。自分がそう。でもそれを悪いとは思わない。少なくとも表現する機会を自分に与えるのは大切だと思う。見てもらうことは大切。

でもなんだか釈然としないのは何なのかと、タイムラインをダラダラ流し見しながら思う。

「…実体がない。」と思った。

写真を手で触って眼で見るには当然のことながらプリントする必要がある。
世間ではじわじわとフィルムカメラブームが訪れているけど、プリントまでする人は一体何パーセントだろう。

そう、プリント。

紙にプリントされていると、狭苦しいHDDやSDカードから写真が解き放たれて、生活の中でそれを目にする機会が劇的に増える、というのが実体験。

壁に飾ると常時目に入るし、アルバムに綴じるときだって、過去の写真が否応なく目に入る。その写真を目にして、数日前のこと、数か月前のこと、数年前のことを思い出すたびに、あぁ、写真っていいなと思う。

リアルなもの、手に触れられるもの、五感で感じられるものを求める習性が人間にはあるのだろうか。
いや、デジタルデバイスに物心ついた時からどっぷりハマっている我々世代は、やはりそういうアナログなモノに惹かれるのだろう。



かつて、ポラロイド写真なるものがあったらしい。
インスタントカメラと呼ばれるものだが、その類を私自身は結婚式の二次会でたまに使用される「チェキ」でしか見たことがない。なんとも狭い画面にもやっとした画質、周囲にポスカで施す落書き…

正直、インスタントカメラに対してあまり魅力は感じていなかった。写真なんてデジカメで撮ればすぐに見られるから。

ただ、写真が趣味になり、フィルムカメラにハマり、自家現像・暗室プリントを経験し、リバーサルフィルムにのめり込むうちに、液晶越しではなく、手で触って、肉眼でモノを見るということの認識を新たにした。

そこで、例のポラロイド。
1948年に初代ポラロイドカメラが発売されて以来、通常のフィルムカメラと違って「撮ってすぐ見れる」という当時では魔法のような特徴で販売を続けていたそうだが、2000年代のデジタル化の波に押されて生産停止、使用するフィルムは絶滅状態だったようだ。

ただ、現在はそのロストテクノロジーが形を変えて復活している。
その仕掛人はなんと30歳そこそこだ…。(直接のリンクは載せないが、ぜひ【「ポラロイド復活」という“不可能”を可能にした男】、で検索してみてほしい。)
当初は「IMPOSSIBLE 社」が復活したフィルムを供給していたが、現在は「Polaroid Original社」の名義でフィルムを製造販売しており、失われた感光材製造のノウハウなども現在の環境基準に適合する形で復活させている。もちろん、その質も復活当初より向上しているようだ。

「おお…それなら撮影からプリントまで自宅で完結できるではないか…」

SX-70 SONAR

…と、ここまで調べ上げて、梅田に出かけ、このカメラを買って帰ってきた。
最新機種も出てはいるのだが、プロダクトの魅力と実用性のバランスを取った結果コレになった。
このポストは、このカメラを買うための長い言い訳…です(^^;

バックグラウンドを知れば、フィルムが高いのも仕方ないよね!
頑張れ、ポラロイドオリジナルズ。

実際、撮ってみてどうだったのかは次回…。

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