朝。
娘を慌ただしく幼稚園に送り出し、せっせと洗車。
多分向かいのお家の奥さんは「またあの人クルマ洗ってる…」と思っているに違いない。
違うんだ。今日は窓の油膜・ウロコ取りが主目的なんだ。と思いつつ、結局ボディも濡れるので全部洗って拭きあげてしまう。
いそいそと片づけを済まし、さあ出発しようと嫁さんに声をかけると、なんと予定時刻を30分も過ぎている。
いつも急かしてばかりなのに今日は申し訳ないと思いつつ、夫婦でロードスターに乗り込む。
気温は低いが、春のような日差しが降り注ぐ。
行きの屋根はクローズ。
用事を済ませた帰りの駐車場、
「オープンにしようか?」
「あ、今開ける?」
「いや、恥ずかしいからちょっと走ってどこかで停まって開ける?」
「ううん、開けてしまおう」
と言うことで、嫁さんとしては(おそらく)初めてのオープンカー体験。
数年前に転職したときはこんな日が本当に来るとは思っていなかった。
嫁さんとの付き合いはかなり長い。
良いときも、死にたくなるほど悪いときもよく知っている。
戦友みたいな嫁さんだ。
ロードスターのショップの方が言うには、初代を購入される方は多くが年配の方だそうだ。若かりしころの想いを遂げるために。すると、そのクルマをきっかけに、会話の少なくなってしまった奥さんとの会話が弾むことがあるのだそうだ。
さて、今夫婦でロードスターをオープンにして乗っている人々は世界中にどれくらいいるだろう。そんなことを考えるとなんだか胸が温かくなる。
信号待ちでオープンにした屋根から見える青空が遠い。
あれ、このクルマってなんて色だったっけ…?と思い出せない。
さっき思い出した。
「スパークルグリーンメタリック」
嫁さんに教えてあげよう。
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